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『白い線』志賀 直哉

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「私が母と別れたのは今から六十一年前で、殆ど母の記憶という程のものはない。私の「大津順吉」という小説に、病気で寝ている時、祖母が熱くしたこんにゃくで下腹を温めてくれる、その時の祖母の体臭で不図自分の幼年時代を憶い出す事が書いてあるが、私は母の体臭は覚えていない。然し今でもはっきり憶い出せるのは母の足のふくらはぎに白い太い線のあった事で、母は女中のように尻を端折り、白い腰巻を出し、よつばいになってよく縁側を拭いていたが、そのふくらはぎにその白い線があったのを憶い出す。」

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志賀直哉の文体には、余計な装飾を削ぎ落としたあとに残る言葉そのものの強さがある。本作『白い線』もまた、簡潔で静かな文体のなかにひやりとした緊張や感情の揺れが確かに刻まれている。

【タイトル】白い線
【筆者】志賀 直哉
【出版社】大和書房
【出版年】2012年
【備考】大和書房五十周年記念名作復刊

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