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『或る一人の女の話・刺す』宇野 千代
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「いつでも私は自分のことばかりを中心に、小説を書いて来た。情けないやうな気もするが、反対に、こんな自分が気に入ってゐるのかも知れない。
こんなにいろんなことに追はれてゐた頃の自分は、凄く生き生きしてるたやうに思はれ、いま九十二歳の老齢になると、何事も行動することがにぶるやうな気がする。行動することが年齢とちょつと関係があることに気がついたのである。いや、ちょつとではなく、大分、関係があると思つたものである。
けれども私はこの齢になつても、考へるだけではなく、これからも行動して行きたいと思つてゐるのである。人間の考へることは、その人の行動によって引き出されることが多いと思ってゐるからである。」
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歳月を経た人だけが持つ軽やかさと、どうしても消えない情念──本作は、その両方が表された一冊である。とくに「或る一人の女の話」は、年を重ねた女が、自分の生をどこか突き放したように、しかし確かに自分のものとして語る作品で、その声の強さが読後、強烈なインプレッションを残す。
【タイトル】或る一人の女の話・刺す
【筆者】宇野 千代
【出版社】講談社
【出版年】1989年
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