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『なんで家族を続けるの?』内田 也哉子/中野 信子

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内田「人間にとって何が最も幸せなのか。それは一人ひとりケースバイケースでしょうけれど、中野さんが思う幸せのカタチについてお聞かせくださいませ。」
中野「私は微分だと思うんです。」
内田「微分? もしかして数学なら私、できません(笑)。」

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内田也哉子は、エッセイや翻訳、インタビューを通じて、家族やことばの揺らぎを繊細に掬い上げてきた書き手である。一方、中野信子は、脳科学の知見を足場に、人間の感情や関係性を構造的かつ批評的に読み解いてきた。

両者の語り口は対照的だ。内田が感情の微細な襞に耳を澄ませるのに対し、中野は制度や本能の側から親密圏を解剖する。しかしその差異こそが、本書に単なる対談集以上の厚みを与えている。家族を無条件に肯定すべき共同体として神聖化するのでもなく、逆に旧弊な制度として一刀両断に否定するのでもない。むしろ両者は、愛情、依存、ケア、負担、孤独といった相反する感情が複雑に絡み合う場として家族を捉え直そうとする。

そこで問われているのは、「なぜ人は、それほど不自由で不均衡な関係を、それでも維持し続けようとするのか」という根源的な問いだ。親密さとは安心であると同時に暴力性を孕むものでもあり、ケアとは献身であると同時に拘束にもなりうる。本書は、そうした割り切れなさを安易な癒やしや断罪へ回収せず、言葉によって丁寧に可視化していく。

【タイトル】なんで家族を続けるの?
【筆者】内田 也哉子/中野 信子
【出版社】文藝春秋
【出版年】2021年

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